ろ過装置、排ガス処理装置、脱臭装置、サイレンサー、ミスト分離装置のメーカーです。
嗅覚を刺激するものを、「におい」といいます。
においを持つ物質は、約40万種ともいわれています。
私たちが生活している空間には常ににおいが存在しており、無臭、無香の空間はないといっても過言ではありません。
においは人の感じ方によって、いいにおい(匂い)にも嫌なにおい(臭い)にもなります。
嫌な臭いのことを悪臭と呼びます。
1)いいにおい(匂い)
香水、花の香り、食べ物のにおい
シャンプーのにおい、石けんのにおい
2)嫌なにおい(臭い)、悪臭
卵の腐ったにおい、魚の腐ったにおい、むれた靴下のにおい、
排水口のにおい、焦げたにおい
ごみ処理場内、下水処理場内、し尿処理場内で発生するにおい
脱臭対策の検討を行うためには、においを数値で表す必要があります。
においを計測する方法は大きく分けて2つあります。
1)機器測定法(成分濃度表示):分析機器を使用する方法
2)臭気官能試験法:人の嗅覚を使う方法
1)臭気強度
においの強さについて表した尺度で、悪臭防止法では下表のように6段階臭気強度表示法が用いられています。
臭気強度は、誰でも簡単に、においを数値化することができます。
臭気強度 | 判定の目安 |
---|---|
0 | 無臭 |
1 | やっと感知できるにおい |
2 | 何のにおいであるか分かる弱いにおい |
3 | 楽に感知できるにおい |
4 | 強いにおい |
5 | 強烈なにおい |
2)臭気濃度/臭気指数
(1)臭気濃度
臭気を無臭空気で何倍に希釈したらにおわなくなるかを表したものです。
三点比較式臭気袋法、三点比較式フラスコ法にて測定します。
例:臭気強度1,000の臭気→その臭気を1,000倍に希釈したときにおいを感じなくなる。
(2)臭気指数
臭気濃度を以下のように変換したものが臭気指数です。
臭気指数=10×log(臭気濃度)
臭気指数の測定は、臭気判定士(国家資格)が行います。
【臭気濃度と臭気指数】
臭気濃度 | 1 | 3 | 10 | 30 | 100 | 30 | 1000 | 3000 | 10000 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
臭気指数 | 0 | 5 | 10 | 15 | 20 | 15 | 30 | 35 | 40 |
1)悪臭防止法の目的
2)規制方法
悪臭防止法には、臭気濃度による規制と、臭気指数により規制があります。(1)臭気濃度
悪臭公害の主要な原因となっている物質として、下表の特定物質(22物質)が指定されています。周辺環境に応じて、臭気強度2.5~3.5の範囲内で敷地境界線上の規制基準が決められています。
単位(ppm)
特定悪臭物質名 | 臭気強度 | 臭気の種類 | ||
---|---|---|---|---|
2.5 | 3.0 | 3.5 | ||
アンモニア | 1 | 2 | 5 | し尿臭 |
メチルメルカプタン | 0.002 | 0.004 | 0.01 | 腐った玉ねぎ臭 |
硫化水素 | 0.02 | 0.06 | 0.2 | 腐った卵臭 |
硫化メチル | 0.01 | 0.05 | 0.2 | 腐ったキャベツ臭 |
二硫化メチル | 0.009 | 0.03 | 0.1 | 腐ったキャベツ臭 |
トリメチルアミン | 0.005 | 0.02 | 0.07 | 腐った魚臭 |
アセトアルデヒド | 0.05 | 0.1 | 0.5 | 青臭い刺激臭 |
プロピオンアルデヒド | 0.05 | 0.1 | 0.5 | 刺激的な甘酸っぱい焦げ臭 |
n-ブチルアルデヒド | 0.009 | 0.03 | 0.08 | 刺激的な甘酸っぱい焦げ臭 |
i-ブチルアルデヒド | 0.02 | 0.07 | 0.2 | 刺激的な甘酸っぱい焦げ臭 |
n-バレルアルデヒド | 0.009 | 0.02 | 0.05 | むせる甘酸っぱい焦げ臭 |
i-バレルアルデヒド | 0.003 | 0.006 | 0.01 | むせる甘酸っぱい焦げ臭 |
i-ブタノール | 0.9 | 4 | 20 | 刺激的な発酵臭 |
酢酸エチル | 3 | 7 | 20 | 刺激的なシンナー臭 |
メチルi-ブチルケトン | 1 | 3 | 6 | 刺激的なシンナー臭 |
トルエン | 10 | 30 | 60 | ガソリン臭 |
スチレン | 0.4 | 0.8 | 2 | エーテル臭 |
キシレン | 1 | 2 | 5 | ガソリン臭 |
プロピオン酸 | 0.03 | 0.07 | 0.2 | 酸っぱい刺激臭 |
n-酪酸 | 0.001 | 0.002 | 0.006 | 汗臭 |
n-吉草酸 | 0.0009 | 0.002 | 0.004 | むれた靴下臭 |
i-吉草酸 | 0.001 | 0.004 | 0.01 | むれた靴下臭 |
(2)臭気指数による規制
3)規制基準
(1)1号基準
工場・事業所の敷地境界線上において、特定悪臭物質濃度または臭気指数の規制値が決められています。
(2)2号基準
1号規制(敷地境界線上)に基づき、気体排出口での特定悪臭物質濃度(13物質該当)、または臭気指数の規制値が決められています。
(3)3号基準
1号基準(敷地境界線上)に基づき、排出水の特定悪臭物質濃度(4物質該当)または臭気指数の規制値が決められています。
(4)においシミュレーター
環境省のHPからダウンロードできるにおいシミュレーター(臭気指数規制第2号基準算定ソフト)を使用すると、気体排出口から敷地境界までの臭気の拡散をシミュレーションすることができます。
1)薬液洗浄法
臭気と薬液を気液接触させ、吸収脱臭する方式です。
洗浄塔、循環ポンプ、薬品注入ユニットなどで構成されます。
臭気物質の種類により、酸、アルカリ、酸化剤、還元剤などの薬液を用います。
設備費が安く、中・高濃度臭気の脱臭に適しています。
2)活性炭吸着法
活性炭を充填した塔内に、臭気を通し吸着脱臭する方法です。
前処理としてフィルターを内蔵することも可能です。
駆動部がないため、運転操作が簡単で、低濃度臭気の脱臭に適しています。
3)触媒酸化法
貴金属触媒を用いて、VOCガスなどの臭気物質を酸化分解し(触媒燃焼)、脱臭する方式です。
触媒酸化塔、バーナー、熱交換器などで構成されます。
直接燃焼法に比べて低い温度(200~400℃)で臭気を分解でき、ランニングコストが安く、有機ガス臭気の脱臭に適しています。
4)生物脱臭法
微生物を高濃度に固定化した担体層に臭気を通すことで、微生物の働きにより臭気物質を分解し脱臭する方式です。
生物脱臭塔、散水ユニットなどで構成されます。
薬液を使用しないため、ランニングコストが安く、中・高濃度臭気の脱臭に適しています。
5)その他
処理対象となる臭気物質が特定できない場合や、性能の予測が困難な場合には、現場にて脱臭試験(フィールドテスト)を行い、最適な脱臭方式をご提示することも可能です。
1)ヌレ網スクラバー
親水性の特殊充填物「ヌレ網エレメント」を使用した薬液洗浄塔です。
ヌレ網エレメントは規則充填されます。
広範囲の悪臭除去用として使用されます。
【特徴】
(1)特殊充填物の採用により、高い脱臭性能を発揮します。
(2)ガス組成により、2種類以上の薬液供給が可能で、コンパクトなスペースに設置できます。
(3)幅広い領域の風量・濃度での使用が可能です。
2)セミスクラバー
各種充填物を使用した充填塔タイプの薬液洗浄装置です。
充填物は不規則充填されます。
ガス濃度・負荷変動に対応でき、比較的ばいじんの少ないガス吸収用として使用されます。
【特徴】
(1)様々な濃度の悪臭ガスを、効率よく吸収除去できます。
(2)独自のガス分散・液散布設計により、効率的に処理ができます。
3)触媒酸化装置
悪臭物質を含む排ガスを貴金属触媒により、200~400℃の低温で酸化分解し脱臭する装置です。
悪臭物質の燃焼により生じた熱(燃焼熱)を熱交換器で回収することも可能です。
【特徴】
(1)低温で処理ができ、燃料の使用量は直燃法に比べ1/3以下です。
(2)悪臭物質を完全酸化するので、高い脱臭性能が得られます。
(3)低温で完全酸化するので、サーマルNOxの生成がありません。
4)活性炭吸着塔
臭気成分、有機ガスなどを活性炭で吸着する装置です。
比較的、低濃度のガスの処理に使用されます。活性炭カートリッジタイプもあります。
【特徴】
(1)対象ガスに適した活性炭種類を選定することにより、活性炭のライフを最長に保つことができます。
(2)小さなスペースで、コンパクトに設置できます。
(3)構造がシンプルで、手間がかからず、維持管理が容易です。
5)生物脱臭塔
微生物の働きで臭気を分解します。
微生物を高濃度に固定化した担体層、上部シャワーパイプ、下部循環液層から構成されます。
【特徴】
(1)薬液を使用しないので、ランニングコストが安価です。
(2)硫黄化合物などの分解性能に優れ、高い脱臭性能が得られます。
(3)構造がシンプルで、手間がかからず、維持管理が容易です。