ろ過装置、排ガス処理装置、脱臭装置、サイレンサー、ミスト分離装置のメーカーです。
目次
1)プール水の汚れ
プール水は、以下の理由により汚れが生じます。
2)プール水の浄化方法
プール水の汚れをろ過により除去し、病原菌を消毒剤で滅菌することで、浄化します。ろ過とは、水中の汚れを、分離することです。
プールの水質基準は、文部科学省、厚生労働省が別々に定めています。
文部科学省の基準は、学校プールに適用され、厚生労働省の基準は、学校プール以外のプールに適用されます。
1)水質基準(文部科学省)
分類 | 項目 | 基準値 | 測定頻度 |
---|---|---|---|
汚れ | 濁度 (水のにごりの程度) |
2度以下 (3m以上の視界) |
使用前1回 ろ過装置出口は、学年ごと1回 |
過マンガン酸カリウム消費量 (有機物量による汚染の程度) |
12mg/L以下 | 30日を越えない範囲で1回以上 | |
消毒効果 | 遊離残留塩素濃度 | 0.4~1.0mg/L | 使用前および使用中 1時間ごと1回以上 |
水素イオン濃度 pH | 5.8~8.6 | 使用前1回 | |
大腸菌(糞便性の指標) | 不検出 | 30日を越えない範囲で1回以上 | |
一般細菌(耐塩素細菌の指標) | 200CFU/mL以下 | 30日を越えない範囲で1回以上 | |
総トリハロメタン | 0.2mg/L以下 | 1回以上/使用期間中の適切な時期 |
2)水質基準(厚生労働省)
分類 | 項目 | 基準値 | 測定頻度 |
---|---|---|---|
汚れ | 濁度 (水のにごりの程度) |
2度以下 (3m以上の視界) |
毎月1回以上 |
過マンガン酸カリウム消費量 (有機物量による汚染の程度) |
12mg/L以下 | 毎月1回以上 | |
消毒効果 | 遊離残留塩素濃度 | 0.4~1.0mg/L | 毎日午前中1回以上 午後2回以上(うち1回はピーク時) |
水素イオン濃度 pH | 5.8~8.6 | 毎月1回以上 | |
大腸菌(糞便性の指標) | 不検出 | 毎月1回以上 | |
一般細菌(耐塩素細菌の指標) | 200CFU/mL以下 | 毎月1回以上 | |
総トリハロメタン | 0.2mg/L以下 | 1年1回以上 |
厚生労働省は、ろ過装置の処理水量と水質の基準を定めています。
ろ過装置を選定する際は、これらの基準を満たす必要があります。
1)処理水量の基準
循環ろ過装置の処理水量は、計画遊泳者数、用途に応じて決定し、1時間につきプール本体の水量に循環水量を加えた全容量の6分の1以上の処理する能力を有すること。また、夜間、循環ろ過装置を停止するプールにあっては、1時間につき4分の1以上の処理をする能力を有すること。
2)処理水質の基準
循環ろ過装置の処理水質は、その出口における濁度が0.5度以下であること(0.1度以下が望ましい)。
1)ターン数
ターン数とは、1日(24時間)にプール水の全量分をろ過する回数です。
標準的なターン数は下表のとおりです。
単位(ターン/日)
プールの用途 | 冷水プール | 温水プール |
---|---|---|
厚生労働省基準(24時間運転) | 4 | 4 |
厚生労働省基準(夜間停止) | 6 | 6 |
学校 | 5~6 | 8〜10 |
子供、幼児 | 8〜12 | 10〜14 |
競泳、スイミングスクール | 6〜7 | 8〜10 |
レジャー | 8〜10 | 10〜12 |
潜水、飛び込み、ダイビング | 4〜5 | 4〜5 |
浴槽 | - | 24〜48 |
2)処理水量の算出方法
処理水量は、下式により算出します。
Q = N・V / 24
Q:処理水量(m3/h)、 N:ターン数(ターン/日)、 V:プール水の全量(m3)
たとえば、プール水全量が360m3で、厚生労働省基準に準じる場合、ターン数および処理水量は下表のとおりです。
運転方法 | ターン数 | 処理水量 |
---|---|---|
24時間 | 4ターン/日 | 60m3/h |
夜間停止 | 6ターン/日 | 90m3/h |
24時間運転の場合
Q = 4・360 / 24 = 60m3/h
夜間停止の場合
Q = 6・360 / 24 = 90m3/h
1)消毒の目的
水系感染症の防止のために、プール水を消毒します。
2)消毒濃度の基準(遊離残留塩素濃度)
遊離残留塩素濃度の基準値は、0.4~1.0mg/Lです。
0.4mg/Lは病原菌を死滅させる下限濃度であり、1.0mg/Lは遊泳者の目や皮膚粘膜に刺激を与えない上限濃度で、これらの基準値内に収まるように管理します。
1)プール水の循環フロー
プールの取水口から吸引した水は、ろ過装置で汚れが除去されます。その後、滅菌装置から消毒剤を注入して病原菌を滅菌し、プールに戻ります。
2)ろ過装置の役割
プール水の大きなゴミや髪の毛は集毛器(ヘヤーキャッチャー)で除去し、細かな汚れはろ過機で取り除きます。ろ過装置には、珪藻土ろ過、砂ろ過、カートリッジろ過の3方式があります。
珪藻土ろ過装置
砂ろ過装置
カートリッジろ過装置