1.pH(水素イオン指数)

• pHは、酸性、アルカリ性の程度を示します。
• 酸性は7未満、アルカリ性は7超、中性は7となります。範囲は0～14までです。
• 水質基準：水素イオン濃度の基準は、pH値5.8以上8.6以下です。
• pH値が大きい(アルカリ性側)と塩素系の消毒剤の効果が低下します。
• pH値が小さい(酸性側)と配管の腐食を促進する原因になります。
• 基準値から外れたときは、新規の補給水もしくはpH調整剤を使い調整します。

2.濁度

• 濁度は、水の濁りの程度を示します。数字が小さいほど、濁っていません。
• 水質基準：濁度は2度以下です。
• 厚生労働省の基準：ろ過装置でろ過された水の濁度基準は、0.5度以下(0.1度以下が望ましい)です。
• 濁度を低く抑えることは、安全面に配慮したものです。入泳者の視界の確保は、入泳者同士の衝突事故防止になります。また万一、入泳者が溺れた場合の早期発見につながります。
• 濁りの原因は、粘土性物質、鉄などの金属が化学変化し不溶性の粒子になったもの、微生物や有機物などです。

3.過マンガン酸カリウム消費量

• 過マンガン酸カリウム消費量は、入泳者がプールに持ち込む有機汚染物質の指標になります。
• 水質基準：過マンガン酸カリウム消費量の基準は、12mg/L以下です。

4.遊離残留塩素濃度

• 遊離残留塩素濃度はプール水の消毒管理の指標です。
• 遊離残留塩素は、プール水に残留した殺菌力を有する形態の塩素のことです。
• 適切な消毒管理は、水系の感染症の予防です。
• 水質基準：遊離残留塩素濃度は、0.4mg/L以上1.0mg/L以下が望ましいです。
• なぜ0.4mg/L以上？それは、病原菌を死滅させる下限濃度だからです。
• なぜ1.0mg/L以下が望ましい？それは、遊泳者の目や皮膚粘膜に刺激を与えない濃度だからです。
• 塩素消毒は、安全性を確保するために重要です。しかし、過剰な塩素消毒は、消毒副生成物(トリハロメタンなど)濃度の増加になります。
• 残留塩素は、殺菌作用が起これば減少します。そのため、プール水を測定し残留塩素濃度が基準値になるように塩素を補給します。

5.大腸菌

• 糞便性(入泳者が持ち込む大腸菌)による汚染の指標です。
• 水質基準：大腸菌の基準は、不検出です。
• どうすれば、大腸菌の不検出になりますか？
• ろ過装置が適正に維持管理され、残留塩素濃度が基準を満足していることです。また、遊泳前のシャワーなどによる充分な身体の洗浄も重要です。

6.一般細菌

• 一般細菌は、耐塩素細菌による汚染、また、水の一般的清浄度を示す指標です。
• 水質基準：一般細菌の基準は、200CFU/mL以下です。

7.総トリハロメタン

• 総トリハロメタンは、現在のところ可能性のある経皮吸収や気道吸収についての知見が十分でないため、基準値ではなく暫定目標値とされています。
• 水質基準：暫定目標値0.2mg/L以下です。

8.レジオネラ属菌

• レジオネラ属菌を空気中のエアロゾルとして吸入することにより感染します。その病型はレジオネラ肺炎と自然治癒型のポンティアック熱の2つがあります。
• 水質基準：レジオネラ属菌の基準は「不検出」です。

9.珪藻土

• 厚生労働省により食品添加物に認定されています。
• 珪藻土は、植物性プランクトンが化石化したものです。

10.プリコート

• ろ過前に、ろ布に珪藻土の層を形成する工程のことです。

11.スラリー

• 水と珪藻土との懸濁液のことです。

12.単位換算

• プール水：1m³ = 1,000L = 1t
• 残留塩素濃度：1ppm = 1mg/L

13.ターン数の求め方

N(ターン)=Q(ろ過能力:m³/h)×24(時間:h)÷V(プール全容量: m³)

14.ろ過能力の求め方

Q(ろ過能力：m³/h)=V(プール全容量:m³)×N(ターン)÷24(時間:h)

15.ろ過精度

• 珪藻土ろ過は、プール水汚染の75%を占めるといわれる微細な固形物の除去に卓越した効果があります。
• 墨の水溶液をろ過テストしてみると